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スーパーボウルLX。2026年のハーフタイムショーを日本語で解説!

アメリカの祝日・文化

こんにちは!海外子女をサポートするオンライン家庭教師、なぎです。

毎年アメリカで一番盛り上がるスポーツの試合といえば、アメリカのNFL(プロフットボール)の決勝戦、スーパーボウル。

同時に注目を集めるのが、試合の途中の休憩時間「ハーフタイム」の時間を使って繰り広げられる「ハーフタイムショー」。

ハーフタイムショーは1967年のスーパーボウル初開催以来、毎年行われていますが、最初はフットボールの試合で定番のマーチングバンドによるパフォーマンスでした。

この歴史が変わったのは1993年。マイケル・ジャクソンがパフォーマンスをしたのをきっかけに、その後は毎年著名なアーティストが招かれ、煌びやかなパフォーマンスが繰り広げられています。

たくさんの視聴者が注目する一大パフォーマンスだからこそ、テーマが盛り込まれていたり、メッセージを伝えたりするアーティストも多数います

そして、60回目、2026年のスーパーボウルではBad Bunnyがパフォーマンスを披露

このパフォーマンスも、たくさんのシンボルが散りばめられ、彼の想いが込められていました。

とはいえ、ほぼ全てスペイン語だった上、背景知識が無ければ、気付きづらいシンボルも多かったパフォーマンス。 この記事では理解に必要な背景知識から、彼のメッセージまで、日本語で解説します!

Bad Bunnyのプロフィール

Bad Bunnyはプエルトリコ出身で、ラテン・トラップの音楽を大人気音楽に昇格させた功績を持ちます。

その人気は確かなもので、なんと彼は音楽ストリーミングサービスのSpotifyで2025年に世界で一番聴かれた歌手。2020年、2021年、2022年も世界一の記録を誇っていて、世界中で多くのファンに愛されていることがわかります。スーパーボウルの直前、2026年のグラミー賞も受賞しました。

彼の出身地、プエルトリコの主要言語はスペイン語。Bad Bunnyは英語も話せますが、楽曲は全てスペイン語で歌唱されています。スペイン語のアルバムがグラミー賞を受賞したのは初めてのことでした。

Bad Bunnyのパフォーマンスの2大メッセージ

そんな彼のパフォーマンスには様々なメッセージが込められていましたが、特に

✔️ プエルトリコの文化

✔️「アメリカ」の意味

この2つが伝えられました。 それぞれ詳しく解説しますが、まずはこれを理解するのに必要な背景知識から。

背景知識1:プエルトリコってどういうところ?

Image from On the World Map

プエルトリコはカリブ海に位置するアメリカの領土です。南国ビーチリゾート観光地としてよく知られています。プエルトリコはアメリカの州ではありませんが、独立国でもない、そんな立場の土地です。基本的にはプエルトリコの領土内で政治が完結しています。アメリカに属してはいるものの、州の在住者に比べるとプエルトリコ在住者の権利は限られています(例えば、アメリカ大統領選挙の選挙権がありません)。州になるか、独立するか、はたまた別の措置をとるか、何かしら在住者の生活の質を上げるように声が上げられています。

背景知識2:「アメリカ」の意味

Image by TUBS. CC by 3.0

日本語で「アメリカ」といえば大抵は「アメリカ合衆国」のことを指しますし、英語でも “America” と言われれば、真っ先に思い浮かぶのは、やはりアメリカ合衆国のことだと思う人が多いかと思います。ただ、「アメリカ」という言葉は本来、アメリカ大陸全体を指しています。北米諸国、南米諸国、すべてを合わせたものが「アメリカ」です。

以上の2つの背景知識を持った上で、Bad Bunnyのパフォーマンスを見ると色々と気付きがあります。

では、実際にパフォーマンスに含まれていたシンボルの数々を見てみましょう!

注意:本記事は主にこのパフォーマンスの大テーマである「プエルトリコ文化」と「アメリカの意味」に関するシンボルを解説します。その他にも細かいシンボルやメッセージは多々見られましたが、読みやすさを優先して全ては解説していないこと、あらかじめご了承ください。最後に参考文献も載せていますので、より詳しく知りたい方はぜひ参考文献も参照してみてください。

プエルトリコ文化のシンボル

 記事内の[ ]で示す時間は、NFL公式YouTubeの動画時間を参照。YouTube で “Bad Bunny’s Apple Music Super Bowl Halftime Show” と検索すると視聴できます。

サトウキビ畑

パフォーマンスを通してステージ中を覆い尽くした緑の植物は、サトウキビ畑を表現しています。サトウキビは長年、プエルトリコのキャッシュクロップ(商品作物)でした。つまり、販売目的のために育てる作物です。大量に育てる必要があるため、大変な労力が必要。プエルトリコの強さや歴史の始まり、労働者への敬意などが象徴されています

日常生活の景色

次に、Bad Bunnyはさまざまな人たちと交流しています。さとうきび畑の人たちや、ドミノを楽しむ人たち、ココナッツ屋、ネイル屋、かき氷屋、タコ屋、ジュエリー屋…この人々や露店は、外部から見て連想されがちなキラキラした観光地ではなく、日常生活をしている人々の視点に立った、プエルトリコ文化を象徴しています。

また、電柱でのパフォーマンスの際は El Apagón という曲を披露。[公式動画10:10]
スペイン語で「停電」という意味です。プエルトリコは2017年にひどい台風被害に遭い、電気が通っていない箇所や、安定していないエリアが未だにあるのです。それでも電気は必要ですので、危険と隣り合わせになりながらも市民がなんとか電線を繋ぐことも。そんなプエルトリコのインフラ事情の訴えもこのパフォーマンスには含まれていました。

結婚式 [公式動画 5:09]

Image by Jose Oquendo. CC by 2.0

パフォーマンス中盤の結婚式の場面では、プエルトリコの結婚式の様子をそのまま表現しています。参列者が楽しく一緒にダンスをするところから、結婚式で子供がその辺で寝てしまうところまで、現地のあるあるとして再現。

ちなみにこの結婚式、なんとパフォーマンスではなく、本物の結婚式だったそうです。
Bad Bunnyに「結婚式でパフォーマンスをしてほしい」とオファーを出したカップルでしたが、逆に彼のパフォーマンスに出演するようにオファーが来たとのこと。

そして、ハーフタイムショーではどんなサプライズゲストが登場するかも見どころですが、このパフォーマンスではレディー・ガガが登場。結婚式では彼女の人気曲 Die with a Smile”のサルサバージョンを披露しました。サルサもラテン文化を象徴する音楽ジャンルのひとつです。
さらに、彼女がドレスにつけていた赤い花は、プエルトリコを象徴する花、flor de maga。衣装にもプエルトリコ文化が象徴されていたんですね。

ゲスト:リッキー・マーティン [公式動画 9:23]

もう一人のサプライズゲストはリッキー・マーティンでした。楽曲 “Livin’ la Vida Loca”が有名な歌手です(日本では、同じメロディーで郷ひろみがカバーしたGoldfinger’99が有名)。

彼の曲はほとんど英語ですが、実はBad Bunny同様、プエルトリコの出身。リッキー・マーティンもデビュー当初はスペイン語で歌唱していましたが、より人気を高めるために英語で歌い、実際、Livin’ la Vida Locaの英語歌唱で大ヒット。
彼の時代ではスペイン語で世界を目指すことは困難だった。そんな中、彼が今回スーパーボウルの大舞台でスペイン語の楽曲を披露できたことは時代の変化の象徴であるとともに、彼のプエルトリコ出身者としてのプライドが示せる機会になりました。

彼が歌唱した曲はBad Bunnyの楽曲、Lo Que Le Paso a Hawaii. スペイン語で「ハワイに何が起きた?」という意味。プエルトリコ同様、1898年にアメリカの一部となったハワイをプエルトリコと重ねています。

「アメリカ」の象徴

広い意味での「アメリカ」の象徴はパフォーマンス全体でたくさん散りばめられていました
例えば、前述のかき氷露店のシロップをよく見ると、それぞれのシロップにアメリカ各地の旗がデザインされています。その直後に登場するボクサーは、プエルトリコとメキシコの旗をあしらったショーツをはいています。(どちらもボクシングの強豪地です)

また、歌唱はしていないものの、アメリカ大陸各地の有名人ゲストがダンサーとして登場しました。例えば、歌手のCardi B (ドミニカ共和国出身)、 Karol G (コロンビア出身) 、 Young Miko (プエルトリコ出身)、俳優のJessica Alba (メキシコ出身)、 Pedro Pascal (チリ出身) 、そしてバスケットボール選手のRonald Acuña Jr. (ベネズエラ出身)など。

そして、Bad Bunnyはパフォーマンス後半で唯一の英語のセリフ、God Bless America(アメリカに祝福あれ)と述べ、 “Together, We Are America” (私たちみんなで「アメリカ」だ)と書かれたフットボールをカメラに向けました。[公式動画 12:10] 続けて、各地の旗を持ったパフォーマーが駆け抜ける中、南米と北米の全ての国々の名前、そしてプエルトリコの名前を述べました。

パフォーマンス全体ではBad Bunnyの出身地であるプエルトリコ文化を前面に出しながらも、「アメリカ」は、アメリカ合衆国本土だけではない、たくさんの国や文化が含まれているという彼の想いが伝えられています。

その他:未来世代へのメッセージ

こちらは上記の2つのテーマとは別ですが、スペイン語でカメラに向かって話していた場面、彼が何を言っていたのか気になりますね。

スペイン語のセリフ:[公式動画 4:35]

Mi nombre es Benito Antonio Martínez Ocasio, y si hoy estoy aquí en el Super Bowl 60, es porque nunca, nunca dejé de creer en mí. Tú también deberías de creer en ti. Vales más de lo que piensas. Confía en mí.

日本語意訳:

僕はベニート・アントニオ・マルティネス・オカシオ(Bad Bunnyの本名)。僕が今スーパーボウル60の舞台に立てているのは、決して自分を信じることをやめなかったから。君も、自分のことを信じて。君が思っているより君にはずっと価値があるんだ。僕を信じて。

このスピーチの後、結婚式のシーンを挟んで、グラミー賞授賞式を見ている家族の場面になります。ここで映っているのは、Bad Bunny本人が受賞しているシーン。そして、Bad Bunnyがテレビ鑑賞をしていた子供にグラミー賞のトロフィーを手渡します。この子供は、子供の頃のBad Bunny本人を象徴しているとも考えられますし、未来へのバトンとも考えられます。

自分を変えなくても、自分のありのままで、自分の好きなことを目指していいんだ、という希望のメッセージ。スペイン語で音楽界のトップに立ったBad Bunnyだからこそ伝えられるメッセージです。

まとめ

いかがでしたか。このパフォーマンスが、新たな「アメリカ」の一面を知るきっかけになったという方も多いと思います。NFL公式のYouTubeチャンネルでパフォーマンスが観られますので、ぜひ新たな視点でもう一度楽しんでみてください。

参考文献

Abraham, Hannah. (2026). “What Did Bad Bunny Say At The Super Bowl Halftime Show? Every Word He Spoke In English And Spanish.” Forbes.

Carroll, Bob. (2026). “Super Bowl.” Britannica.

Coto, Danica (2022). “5 years after Maria, reconstruction drags on in Puerto Rico.” AP.

Gavin, Mike. (2026). “Showtime! Interesting facts about the Super Bowl halftime show.NBC 4 New York.

Nawaz, Amna & Hudgins, Jackson. (2026). “The cultural impact of Bad Bunny’s Super Bowl halftime show.” PBS News.

Spotify (2025). “The Top Artists, Songs, Albums, Podcasts, and Audiobooks of 2025.

Wagenheim, Olga J. (2026). “Puerto Rico.Britannica.

Yu, Yi-Jin & Zaru, Deena. (2026). “Bad Bunny’s Super Bowl show was full of symbolism: What to know.ABC News.

Zuniga, Ricardo. (2026). “Breaking down the symbolism in Bad Bunny’s Super Bowl halftime show.AP.

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